どうも。ふくた(@fukushienblog)です。
・生活支援員の仕事は楽だって聞いたんだけど本当?
・生活支援員の仕事ってやりがいあるの?
・楽な職場があったら教えてほしい!
こうした悩みを解決できる記事になっています。
なぜなら私が生活支援員の仕事をしており、生活支援員の仕事内容をリアルにお伝えできるからです。
- 生活支援員の仕事は楽なのか
- 生活支援員のやりがい
- 楽な職場はあるのか
▶︎本記事の信頼性
本記事では、福祉業界で生きる私が生活支援員の仕事が楽なのかどうか解説していきたいと思います。
この記事を読み終えることで、生活支援員の仕事は楽なのか、やりがい、職場についてつかむことができます。
ちょっとのすきま時間に読める内容になっていますので、興味のある方はぜひ参考にしてみて下さい。
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生活支援員の仕事は楽なのか
「介護職とか生活支援員って、利用者の身の回りの世話をするだけでしょ?そんなの楽じゃん‥。」こういう意見を聞いたことがあります。
一般企業の人から見て、福祉の仕事は楽に見えるらしいです。
その一般企業の特徴といえばおおむねこんなもの。
- 出世競争が激しい
- 納期に追われる
- 数字に追われる
- 人間関係が厳しい
- 力なければリストラの対象になる
確かに、福祉の世界は営利ではありませんので、一般企業ほどの競争の原理は働きません。
就労移行支援や就労継続支援A・B型は、企業から仕事をもらう事業所が多いので、納期や数字に追われることもあります。ですが、利用者の性質上、一般企業ほどは仕事に対してうるさく言われないのが現状です。
くわえて、人間関係は一般企業より独特です。女性が幅をきかせているので、もっとドロドロしているかもしれません。
支援には正解がなく最適解のみ存在し、個人個人の生活感や価値観に左右されやすいのも特徴です。
これをふまえて言わせてもらうと、生活支援員の仕事は決して楽な仕事ではありません。
断言します!
その理由は、大きく分けて以下の4つとなります。
- 肉体的にきつい
- 精神的にきつい
- 人間関係がきつい
- 給料が低い
ひとつひとつ解説していきたいと思います。
肉体的にきつい
生活支援員の仕事はとにかく体力勝負です。
その理由は、おもに利用者の特性を軸として以下の通りとなります。
- 部屋を所狭しと動き回る
- パニックを起こして向かってくる
- 肢体不自由者だと、食事・入浴・排泄介助がある
- 夜勤がある
ひとつひとつ解説していきます。
部屋を所狭しと動き回る
軽度の障がい者であれば、自分の席で落ち着いて座っていたり、指示があるまで待機することができます。
ですが、重度の障がい者になると落ち着いて座っていることができません。
活動室内を所狭しと動き回り、床に座り込んだり、寝転がったりします。特に座り込んだり寝転がったりする利用者を起こすのは大変で、数人の職員で動かしたりします。
20代の若くて体力のある利用者だと、動きについていくだけでヘトヘトになります。
エネルギーのある人間の動きについていくのは、それだけで肉体的に消耗するのです。
パニックを起こして向かってくる
知的障がい者や自閉症は、不安定になるとパニックを起こします。
以下、パニックの例です。
- 頭を叩いたり、自分の指を噛んだりして自傷行為をする
- 利用者や職員に向かっていき、つねる・殴る・蹴る・ひっかく・噛みつくなど他害行為におよぶ
- 物を投げたり、壊したりして器物破損行為におよぶ
20代の大柄の男性がパニックを起こして突っ込んできたら、小柄な男性や女性だと吹き飛ばされたり、大けがする可能性があります。
ひっかかれたり、噛みつかれたりすると、一生消えないあざになってしまうこともあります。
自分の肉体を損傷してしまう危険におかされながら、支援していかなければならないのが厳しいところです。
肢体不自由者だと、食事・入浴・排泄介助がある
重度の障がい者、特に肢体不自由者は全介助が多く、肉体的な消耗度はかなり大きいです。
なぜなら、一日に何回も車いすから便器やベッド、床に移乗しなければならないので、身体的に、特に腰に負担が大きくかかってくるからです。
介護技術を駆使してもダメなの?
ある程度は軽減されますが、人数も多く、ノーダメージでやり抜くのは至難の技です。
ベルトは必須、支援に対する工夫も必須です。
車いす常時使用者の介助は、体力的に相当きついことを覚えておきましょう。
夜勤がある
生活支援員の仕事は、事業所によっては夜勤があります。
以下、1週間の勤務時間の例です。
- 日勤:8:30~17:30
- 早番:6:30~15:30
- 遅番:11:30~20:30
- 夜勤:15:30~翌9:30
次は、1週間の勤務例です。
- (月)休日
- (火)6:30~15:30
- (水)11:30~20:30
- (木)6:30~15:30
- (金)15:30~翌9:30
- (土)明け休み
- (日)休日
この例では、勤務時間帯が早番、昼番、遅番、夜勤と4パターンあり、1週間を通してかなり不規則な働き方になることが分かります。
夜勤は20代〜30代前半くらいの若いうちであれば、体力的な回復も早いです。ですが、40〜50代になってくると体力的な回復も遅く、疲労がどんどん蓄積されていきます。
…。なんか病気になりそうだね?
実際に自律神経失調症になった人がいました。
基本的に人間の身体は、夜に活動できるようにつくられていません。
それを無理して労働にまわすわけですからその負担は相当なもの。夜勤希望者は自分の体力とよく相談しましょう。
生活支援員の夜勤に関しては、別記事をご用意しております。興味があればこちらもご覧になって下さい。
⇒生活支援員の夜勤がきつい5つの理由【給料はあがるけど・・・】
精神的にきつい
生活支援員の仕事は精神的にきついです。
なぜなら、利用者が問題行動を起こしたり、予測不可能な動きをするからです。
以下、パニック以外のよくある問題行動・予測不可能な動きの例です。
- 利用者がかたまって動かなくなる(フリーズ)
- 利用者があやまって異物を飲み込んでしまう(誤飲)
- 利用者が職員の制止をふりきる(言うことを聞かない)
- 同じ会話の内容を反復する
- 大声や奇声をあげ続ける
①〜③は支援上の注意点であり、予測不可能な行動に対する対応で気疲れする部分です。
④〜⑤は日常的な部分で、こっちの方が地味にこたえてきます。
人間おんなじ話を何度もされると、うんざりしてきて相手にするのがおっくうになってきます。大声や奇声を聞き続けるのも精神的にこたえてきます。
それくらい人の言葉は人間の心をすり減らす力を持っているのです。
生活支援員の仕事は、精神的にかなりきついことを覚悟しておきましょう。
人間関係がきつい
生活支援員の仕事は、人間関係が悪くなりがちです。
なぜなら、人員不足で仕事の負担が増加し、心にゆとりがないまま働くことが多いからです。
ひとりで何人も移乗したり、事務負担が増えたり、送迎業務が増加したりすると、心身の疲労がたまりそのうち笑顔もなくなってきます。
すると、負のループが発生しやすくなります。
- 人が退職する
- 残った職員に負担がのしかかる
- 心に余裕がなくなる
- 人間関係がギクシャクする
- 人が退職する
①〜⑤の繰り返し。まさに悪循環。
せっかく入ってきてもロクに業務を教えられずにほったらかしにされたり、教える方も余裕がなかったりします。
仕事内容も、個々人の生活感や価値観に左右されやすいため、小さな摩擦が起こりやすく、陰口・悪口の温床になりやすいのです。
生活支援員に限らず、介護職でもこの人間関係が難しいところなのです。
給料が低い
生活支援員の給料は低いです。
以下、その理由は以下の通りです。
条件 | 年収 | 時給(ア) | 時給(派) |
新卒 | 316万円 | 1,004円 | 1,347円 |
20代 | 335万円 | 1,004円 | 1,247円 |
30代 | 333万円 | 991円 | 1,247円 |
障がい者支援施設 | 309万円 | 999円 | 1,197円 |
未経験 | 318万円 | 972円 | 1,250円 |
40代、50代になっても年収が400万円に届かない。こんなケースも多々あります。
求人を見ても、基本給18万円くらいからのスタートがザラ。いくら諸手当がついても元が低いので、微々たる昇給額じゃ年収アップは期待できません。
なんでこうなっちゃうんだろ?
施設や事業所の財源が国の補助金頼みだからです。
利用者の受け入れ人数や職員の配置人数も決められているので、収入の上限がおのずと決まってくるのです。
利益追求の一般企業との大きな違いがこれです。
給料が低いと生活苦になり、心に余裕を持って仕事に取り組むことができません。このような金銭的な苦痛も生活支援員にはあるのです。
生活支援員の給料が低い件に関しては別記事も合わせてご覧になって下さい。
⇒社会福祉士の給料が低い3つの理由【給料の上げ方と高い職場を解説します】
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生活支援員のやりがい
生活支援員の仕事が「楽ではない」ことが分かったうえで、今度はやりがいを深掘りしていきたいと思います。
生活支援員のやりがいは、大きく分けて以下の3つです。
- 利用者や家族に感謝される
- 利用者の変化を感じとれる
- 無資格・未経験でもなれる
ひとつひとつ解説していきたいと思います。
利用者や家族に感謝される
生活支援員の仕事は、人から感謝される仕事です。
仕事柄、人と密接に関わるからです。
例えば、取れない物をとってあげた時、持てないものを持ってあげた時など、自分ができないことの手助けをしてあげると「ありがとう」と感謝されることが多いです。
また、家族からは「大変でしょうけど、いつも面倒を見てくれてありがとうございます。」と日頃の支援に対して感謝されることがあります。
この「感謝される」という行為が、生活支援員のひとつのやりがいにつながってくるのです。
利用者の変化を感じとれる
利用者は日々変化していきます。
良い方に変化していく人もいれば、悪い方に変化していく人もいます。
良い方の場合、自分が関わった利用者が成長していくさまを見ると、なんともいえない達成感を味わえます。
例えば、「靴を自分の力ではけるようになった」「歌の歌詞を覚えた」「パズルが作れるようになった」「針の穴に糸を通せるようになった」など、ささいなことでも成長を感じるとそれがやりがいにつながってきます。
障がいを持った人がなにか新しいことを身につけるのは本当に難しいことです。
それがちょっとでもできるようになれば、こんなに嬉しいことはありません。
利用者の変化を感じ取れるのが、生活支援員のやりがいのひとつです。
無資格・未経験でもなれる
生活支援員の仕事は、無資格・未経験でも十分なれます。
なぜなら、就職するのに必要な資格や経験を求める施設や事業所がほとんどないからです。
どういうことかと言うと、生活支援員の仕事内容を見てみれば分かります。
- 食事・入浴・排泄介助
- 生活支援
- 行動援護
- 事務作業
- 送迎
簡単なPCの入力作業と普通自動車免許があるのが望ましいだけで、あとは仕事に特別なスキルを必要としません。
言ってしまえば「家事労働の延長」です。だから、ほとんど外で働いたことのない専業主婦の人でも働くことができるのです。
でも、パニック対応や障がい特性に合わせた支援をするには経験が必要なんじゃないの?
それは経験がものを言ってきますが、働きながらでも十分身につけられます。
この就職するまでの敷居の低さが、生活支援員の魅力でもあるのです。
生活支援員の楽しさややりがいについては別記事でも紹介しています。
⇒生活支援員が仕事を楽しいと感じるポイント5選【やりがいがすべて】
楽な職場はあるのか
では、楽な職場はあるのか?
誰だってきついのはイヤです。なるべくなら楽な職場で働きたいものですよね。ではそのような職場は本当にあるのか?
答えは、ありません。
就労移行支援、就労継続支援A・B型、生活介護。どれをとっても必ず問題行動のある利用者はいます。それを避けて通ることはできません。
でも、ちょっとくらいはあるでしょ?
強いて言うなら軽度の障がい者が集まる事業所が狙い目ですね。
軽度の障がい者が集まる事業所ならば、問題行動の程度も軽く、手が掛かる人も少ない傾向があります。
地道に求人を探して、見つけるしかありません。
もし見つけたら、あれば実習を、なければお願いしてでも受けておきましょう。
利用者の障がいの程度を事前に知ることは、仕事が長続きするための大切な要素となります。
⇒【重要】生活支援員として働く前に実習やアルバイトをすべき理由3選
生活支援員の仕事って楽ですか?【現役生活支援員が本音で答えます】:まとめ
まとめたいと思います。
生活支援員の仕事って楽かどうかお分かりになっていただけましたでしょうか。
- 肉体的にきつい
- 精神的にきつい
- 人間関係がきつい
- 給料が低い
生活支援員は色々と大変なことがありますが、それでも人の人生に関わる大事な仕事です。
感謝されれば、それだけやる気になってきます。
未経験・無資格からチャレンジできるので興味のある人はやってみましょう。
今回は以上となります。
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