【健康】対人援助職がバーンアウト(燃え尽き症候群)になりやすい理由

【健康】対人援助職がバーンアウト(燃え尽き症候群)になりやすい理由
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どうも。ふくた(@fukushienblog)です。

読者

生活支援員やってるんだけど、なんか毎日身体がだるいというか、やる気がしないんだよね。仕事の疲れか、もしかしたら「うつ」になっちゃったのかなあ。誰か助けて・・・。

こうした疑問にお答えします。

ふくた

無気力状態が続くわけですね。もしかしたらそれ、バーンアウト(燃え尽き)症候群かもしれませんよ。

本記事の内容
  • 対人援助職がバーンアウト(燃え尽き)症候群になりやすい理由
  • バーンアウト(燃え尽き)症候群とうつ病の違い
  • バーンアウト(燃え尽き)症候群の対処

▶︎本記事の信頼性

プロフィール

まったくの異業種・未経験から福祉の世界へ!社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士を取得!サービス管理責任者の取得を目指しています!

本記事では、生活支援員や介護職員などの対人援助職がバーンアウト(燃え尽き)症候群になりやすい理由を解説していきたいと思います。

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目次

対人援助職がバーンアウト(燃え尽き)症候群になりやすい理由

バーンアウト

バーンアウト(燃え尽き)症候群は 「理想が高く、やる気に満ちあふれ、使命感に燃えている人」を襲う症状です。

仕事に対して夢中になって打ち込む人、周囲に対して細やかな気配りができる人ほど、その危険因子をはらんでいます。

中でも、完璧主義の人は、自分の思い通りにならない現実に直面した時に心のバランスが崩れやすく、大きなストレスを受けることによって、バーンアウト(燃え尽き)症候群になりやすいのです。

よく、プロ野球選手や力士が引退会見で「燃え尽きました」と発言することがありますが、これは自己満足感や達成感を含んでいるケースが多く、ここで記事にするバーンアウト(燃え尽き)症候群とは意味合いが異なります。

「自分はこんなに頑張ってるのに、なんでこの利用者には通じないんだ」「なんで周りは自分のことを評価してくれないんだ」「どうして成果が上がらないんだ」と言う思いが募ってしまうのです。

介護職員や生活支援員がバーンアウト(燃え尽き)症候群になりやすい理由は以下の3つです。

  • 仕事の成果が見えにくい
  • やりがいを感じにくい
  • 我慢することが多い

精神的にきつい、身体的にきついというのはよく言われることなので、ここではもっと核心に触れるところだけを記事にしたいと思い、あえて外しました。

それでは、ひとつひとつ解説していきたいと思います。

仕事の成果が見えにくい

介護職員や生活支援員などいわゆる対人援助職の仕事の大きな特徴として、仕事の成果が見えにくいことがあげられます。

ふくた

実際問題、介護職員や生活支援員の仕事は、何をもって仕事の成果となすかを判断するのが非常に難しい職種でもあります。

これだけでは、わかりにくいですね。少し、具体例を出してみましょう。

具体例
  • パニックを起こした利用者を落ち着かせることが出来た。
  • なかなか食事が進まない利用者を食べさせることが出来た。
  • 地面に座り込む利用者を立たせて歩かせることが出来た。
  • トイレに立てこもる利用者を動かすことが出来た。
  • 靴を自分ではかない利用者にはかせることが出来た。
  • 服をロッカーにしまわない利用者にしまわせることが出来た。
  • 新しい企画を立てて、利用者を喜ばせることが出来た。
  • ご家庭との面談を無事に終わらせることが出来た。
  • 個別支援計画書に書いてある項目を達成することが出来た。
  • 外食やプール外出を無事に達成することが出来た。

経験値である程度の差は出ますが、基本的にはどの仕事をとってみても、誰にでもできる内容であり、特別な知識や技術を必要としません。つまり、崇高な仕事をやっている感覚が乏しいんです。

IT企業のように、時代の最先端を走っているような研ぎ澄まされた感覚とは無縁の世界です。

基本的に、仕事内容を数字に置き換えることが出来ません。

民間企業の仕事、特に営業や販売職は自分がセールスした分だけ数字にはね返ってきます。はっきり目で見て分かるし、同僚との優劣がつきます。

企画や制作職も自分たちがアイディアを出し、形にしたものが世に出回る。こちらもはっきりとした成果が見てとれます。

ところが、福祉の仕事にはこのものさしが一切ありません。

毎日毎日、身体にむち打ち、精神を削って取り組んでいる仕事。それなのに、成果が見えない日々が続くといつしか人間は

ふくた

「なんか成長している気がしないなあ」「何も出来ていない気がするんだけど・・・」「これが本当にやりたいことなのかなあ・・・」

自己否定感にさいなまれるようになります。

この自己否定感が続くと、仕事に対して無気力になったり、もどかしさを抱えながら仕事に取り組むことになるので、バーンアウト(燃え尽き)症候群を作る原因のひとつになってしまうのです。

やりがいを感じにくい

これは個人差もありますが、生活支援員や介護職員は仕事に対するやりがいを感じにくいです。

それは、相手をする利用者が成長しないからです。

特に重度の障がい者や障がい児、認知症の高齢者の相手をするのは、賽の河原で石を積むに等しい行為でもあります。

  • なんどもなんども同じことを言う
  • なんど教えても靴がはけない
  • なんど言っても片づけられない
  • なんどもなんども同じ動作を繰り返す
  • なんど手順を教えても歯ブラシができない
  • ものを壊したり、投げたりする行為をやめない
  • なんど注意しても異性の身体を触る

なんど言葉がけをしてもなおらず、また自分ひとりの力でできることがほとんどありません。

この記事を読んでいる家庭持ちの方、ご自分の子供が言うことを聞かなくて、ついカッとなって声を荒げてしまったりしたことはありませんか?誰にでもあるこの経験ですが、健常の子供ならできるようになる可能性があるでしょう。

ですが、重度の障がい者や障がい児、認知症の高齢者は、将来にかけてほとんどできるようになりません。つまり、未来がありません。それゆえにそこに関わる対人援助職は自分の仕事に達成感を感じにくいんです。

医療職などは関わる患者さんが機能回復していくたびに達成感につながっていきますが、生活支援員や介護職員にはそれがありません。仕事の達成感を感じない日々が続くと、

ふくた

「自分て能力ないのかなあ」「この仕事、自分には向いてないのかも・・・」

自己否定にプラスして、離職に対する気持ちも芽生えてきます。

離職に対する気持ちが強くなると、現職に対する興味が薄れ、何をやっても楽しめなくなります。

このやりがいや達成感の感じなさが、バーンアウト(燃え尽き)症候群につながる原因のひとつになってきます。

我慢することが多い

介護職員や生活支援員の仕事は、我慢、我慢の連続です。

  • 成長しない人間相手の消耗戦
  • 利用者による身体的な暴力
  • 利用者による言葉の暴力
  • 利用者への介助による身体的な負担
  • ご家庭からのクレームの対応

人間は我慢をしすぎると、当然のことながら心と身体に過大な負担がかかり、日常生活ですら大きく歪めてしまいます。

過度な我慢によって、過度なストレスが精神にふりかかるわけです。

一番ストレスの原因になるのは、相手の「心ない言葉」です。場合によっては「言葉の暴力」と言ってもいいでしょう。

「あっちいけ!」「あんたの顔なんて見たくない!」「おまえなんかに言ってない!」「お前には頼みたくない。他のやつを呼べ!」「こっちに来るな!」

こういう言葉を日々投げ掛けられ続けると、人の心はそのうち疲れ果て、バーンアウト(燃え尽き)症候群の原因を作り出してしまうのです。ひどい場合は、うつにもなってしまうでしょう。

このようなリスクを抱えて、介護職員や生活支援員は働いていることを自覚しておきましょう。

バーンアウト(燃え尽き)症候群とうつ病の違い

うつ病

バーンアウト(燃え尽き)症候群と似た症状に「うつ病」があります。うつ病の特徴は

  • 憂うつな状態が続く
  • 気分の落ち込みが激しい
  • 自分を罰する思考に陥る

これに対して、バーンアウトを背景にしたうつ状態

  • 自分を責めながらも怒りの対象を持つ
  • 大きな絶望感や失望感を持つ
  • 周囲の評価に対する強い願望
  • 他分野での活躍に対する不安

などの特徴があります。

憂うつ、気分の落ち込み、自責思考が共通項目と言えるでしょう。

バーンアウト(燃え尽き)症候群の対処法

バーンアウト尺度

まずは、自分がバーンアウト(燃え尽き)症候群の疑いがあるかどうかをチェックしましょう。気になる方は以下をクリックしてみてください。

>>バーンアウト尺度

いかがでしたでしょうか。ちなみに私もやってみたのですが、

情緒的消耗感平均的
脱人格化要注意
個人的達成感危険

それぞれのパラデータは以下の通りとなります。

情緒的消耗感仕事を通じて情緒的に力を出し尽くして消耗してしまった状態
脱人格化サービスの受け手に対する無情で非人間的な対応
個人的達成感ヒューマン・サービスの職務にかかわる有能感、達成感

私個人を例にすると、個人的達成感が「危険」となっています。

振り返ってみると、仕事を通じた自己成長や達成感を感じることは少なくなってきています。理由は対人援助職がバーンアウト(燃え尽き)症候群になりやすい理由の項目の中で触れた通りです。

私の場合は仕事で個人的達成感が乏しいので、それを補うべくこのブログや他の趣味や生活面での充足をはかっています。幸い、興味や関心ごとが途切れることがないので、その点は救われているかもしれません。

ふくた

参考程度ではありますが、こういう測定を受けると、自分でも思ってもみなかった発見があって、面白かったりもします。

解決策としては、個人的な要因、環境的な要因などを含めてポイントをいくつか紹介します。

  • 自分は自分、仕事は仕事と分けて考える
  • 主観ではなく冷静で客観的な視点を持つように努める
  • 自分の居場所を仕事だけに求めない
  • 職場内や知人・友人・家庭に相談する

この中で、個人・環境に関わらず取り組めるのは太字の部分だと思います。

仕事からうまく距離を取る」ことは、バーンアウト(燃え尽き)症候群を防ぐ重要なスキルだと思います。

職務だと割り切り、一日に数時間程度でもいいので、自分の気持ちに素直になり、意見や感情を抑えなくていい時間をつくることが最適な予防策になってきます。

自分を仕事や役割から解放し、好きなこと・楽しいことに没頭できるひとときを持つように心がけましょう。

対人援助職がバーンアウト(燃え尽き)症候群になりやすい理由:まとめ

まとめ

まとめたいと思います。

生活支援員や介護職員などの対人援助職がバーンアウト(燃え尽き)症候群になりやすい理由がお分かりになっていただけましたでしょうか。

  • 対人援助職がバーンアウト(燃え尽き)症候群になりやすい理由
  • バーンアウト(燃え尽き)症候群とうつ病の違い
  • バーンアウト(燃え尽き)症候群の対処法

バーンアウト(燃え尽き)症候群は重症化すると「うつ病」になる危険因子をはらんでいます。

  • 仕事の成果が見えにくい
  • やりがいを感じにくい
  • 我慢することが多い

仕事の内容が、賽の河原で石を積むに等しく、暗闇やトンネルの中をひたすら歩き続けるものなので、何がバーンアウト(燃え尽き)症候群の引き金になるかわからないのです。

これ以外にも、給与や待遇面で介護職員や生活支援員は苦慮することが多い仕事です。

割り切って仕事に臨むこと、他に自分を解放できる時間を持つことなど、うまくセルフコントロールしながら取り組んでいきましょう。

ふくた

以上となります。

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