どうも。ふくた(@fukushienblog)です。
・社会福祉士って取っても需要ないって本当なの?
・社会福祉士の需要や将来性ってあるのかな?
・社会福祉士におすすめの就職先ってどこなの?
こうした悩みを解決できる記事になっています。
なぜなら私が社会福祉士の資格を取得しており、現状を知っているからです。
- 社会福祉士は需要ないって本当なの?
- 社会福祉士の需要や将来性
- 社会福祉士におすすめの就職先
▶︎本記事の信頼性
本記事では、福祉業界で生きる私が社会福祉士は需要ないって本当なのかどうか解説していきたいと思います。
この記事を読み終えることで、社会福祉士が食べられる資格なのかどうかが分かり、就職先で迷うことがなくなるようになります。
ちょっとのすきま時間に読める内容になっていますので、興味のある方はぜひ参考にしてみて下さい。
社会福祉士は需要ないって本当なの?
結論、年齢と実務経験によります。
以下、社会福祉士の年齢の年度比較です。
ボリュームゾーンは30歳以上50歳未満なのがわかると思います。
社会福祉士はどんなところに勤められるのか?
社会福祉士の就職先には以下のようなところが挙げられます。
- 高齢者施設
- 障がい者施設
- 児童福祉施設
- 社会福祉協議会:ほぼ必置
- 地域包括支援センター:必置
- 病院(MSW):ほぼ必置
- 学校(SSW):ほぼ必置
- 地方自治体:ほぼ必置
思ってたよりあるね。就職先には困らないんじゃないの?
それは冒頭でも伝えた年齢と実務経験によるんです。
言うまでもなく、20代であれば実務未経験でも採用される可能性は高いです。
今回は個人的に一番採用が微妙なラインをお話しさせていただきたいと思います。
社会福祉士として40代未経験で働くことができるか?
人の可能性は無限大、その人の過去の実績や人間力にもよりますが、それでもかなり難しいと思います。
就職先 | 職種 |
高齢者施設 | 生活相談員、介護職 |
障がい者施設 | 生活支援員、職業指導員 |
児童福祉施設 | 児童指導員 |
社会福祉協議会 | 社会福祉士 |
地域包括支援センター | 社会福祉士 |
病院(MSW) | 社会福祉士 |
学校(SSW) | 社会福祉士 |
地方自治体 | 社会福祉士 |
この中で、職種名が社会福祉士と記述されている就職先は極めて難しいです。
なんでそんなに難しいの?
法律や制度の知識、高いコミュニケーション能力などかなりの専門性が求められてくるからです。
若いうちからこのあたりを鍛えられてきた人と、40代で資格を持っているだけの人とでは経験値が雲泥の差なのです。
じゃあ、40代が社会福祉士の資格を活かして働けないかと言えばそんなことはありません。狙い目があります。高齢者施設の生活相談員です。
多くはないですが、高齢者の生活相談員であれば資格を持っていれば実務未経験でも採用してくれるところはあります。その際、現場の介護職と兼務になるかどうかは事前に確認しましょう。
三大介助(入浴・食事・排泄)をやりつつ、生活相談員の業務をこなすのはかなりの重労働です。
さらにつけ加えると、生活相談員の業務はほとんど営業です。
いかに新規の利用者をつかまえてきて稼働率を上げるかが求められてくるので、営業的な業務が苦手な人にとっては苦痛を感じてしまうかもしれません。
別の記事でも書いています。あわせてご覧になって下さい。
⇒社会福祉士を持っていれば実務経験なしでも就職できますか?【40歳以上向け】
結局社会福祉士は食っていける資格なのか?
職種を選ばなければ食べていく手段になり得ます。
社会福祉士の平均年収を世の中の平均年収と比べて見てみましょう。
平均年収 | 2019年 |
社会福祉士 | 403万 |
世間一般 | 436万 |
ちなみに年代別だとこういう結果になります。
年代 | 平均年収 |
20代 | 295万円 |
30代 | 346万円 |
40代 | 408万円 |
50代 | 475万円 |
60代 | 348万円 |
おお!思ってたより悪くないじゃん!
世間と比べて下ではありますが、そこまでの差はないと思います。
他の福祉系の資格とも比べてみましょう。
資格名 | 平均年収 |
介護福祉士 | 292万 |
精神保健福祉士 | 404万 |
福祉系の中ではトップクラスなのが分かると思います。
今の世の中はIT・AIが台頭し、毎日情報が洪水のように流れてくる時代。これらに取って代わられてしまう職業も増えてくるでしょう。
ですが、社会福祉士の仕事は人と接する仕事です。
人と接して相談に乗り、カウンセリングを行う社会福祉士の仕事はコミュニケーション能力が求められてくるので、機械で対応できるような仕事内容ではないのです。
じゃあ、「社会福祉士は食えないよ」みたいなネットの書き込みはウソ?
おそらく離職した人が書いたものが多いと思われます。
一度仕事を離れた人間は、過去の仕事の悪口を言いやすいのです。
インターネットの情報は便利な側面もありますが、嘘の情報も伝わりやすい諸刃の剣。
正確に情報を集めるクセを身につけましょう。
社会福祉士の需要や将来性
社会福祉士は需要もあるし将来性も見込める資格です。
次の図を見てみましょう。
ご覧に通り、約40%が高齢者福祉関係に就職しています。
他にはパーセンテージこそ低いものの、「児童・母子福祉関係」が注目の分野です。
高齢者の数や割合はこれからもどんどん増えていく
次の表をご覧になってください。
この表からピックアップすると、2020年の高齢者の人口は3618万人、割合が28.8%となっています。ですが、2040年になると高齢者の人口は3921万人になり、割合が35.3%になっています。
この20年の間で明らかに高齢者が増加しているのがみてとれると思います。
3人に1人以上が高齢者の時代を迎えます。
高齢者の分野は、社会福祉士にとって仕事の安定供給につながってくるのです。
児童虐待の数が急激に増えている
こちらも注目です。
以下の表をご覧下さい。
児童虐待相談対応件数の推移です。加速度的に増加してるのが分かると思います。
理由はなんなの?
虐待そのものが増えたのもありますが、社会的意識の高まりによって虐待の相談や通報が増えたことも大きな理由です。
児童虐待の事件では、親の「しつけのつもりでやった」と言う供述を耳にします。
ですが、過度のしつけは子供にとって苦痛なだけの「虐待」につながる可能性があるのです。
これに対応するために国は児童相談所の「児童福祉司」を増やしています。社会福祉士を持っていればこの「児童福祉司」の任用資格を得ることができるんです。
厳しい家庭環境に置かれた子供たちを救うのに、社会福祉士の専門性が必要になってくるのです。
国は具体的な政策として新資格である「子ども家庭福祉ソーシャルワーカー」を創設しようとしています。
子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの詳しい内容を知りたい方は以下の外部リンクをどうぞ。
⇒子ども家庭福祉ソーシャルワーカーとは?
結局社会福祉士の需要は高まっている
日本は世界屈指の長寿国であり、高齢者の割合が多い国です。
順位 | 国名 | 高齢化率(%) |
1位 | 日本 | 28.40 |
2位 | イタリア | 23.30 |
3位 | ポルトガル | 22.77 |
4位 | フィンランド | 22.55 |
5位 | ギリシャ | 22.28 |
6位 | ドイツ | 21.69 |
7位 | ブルガリア | 21.47 |
8位 | マルタ | 21.32 |
9位 | クロアチア | 21.25 |
10位 | プエルトリコ | 20.83 |
改めて数字で見るとすごいね・・・。
高齢化スピードの異常な早さにより、福祉や介護に対する政治の動きは常に活発になっています。
しかも世界的に見ても高齢化のスピードは進んでいるので、福祉や介護に関する政治の動きは常に進化しています。
また日本では団塊の世代が控えていて75歳の後期高齢者がドンドン増えてきます。一方で少子化も進んで人材の不足は深刻化することも明らかな状況です。
つまり、援助対象者が増え続けるのです。
社会の状況が変わって行かない限り対象援助者が増え続けるので、社会福祉士の仕事はなくならないと言っていいでしょう。
社会福祉士におすすめの就職先
これはなんといっても公務員の福祉職です。
公務員は一般企業と違って年功序列と終身雇用が約束されているので人気があり、倍率は非常に高いです。
だからと言ってあきらめる必要はなく、社会福祉士がおもに採用される「福祉職」は「行政職」に比べると受験する学生が限られているのでそこまで競争率は高くありません。
有名国立・私立の受験生の数は限られているので、チャンスは大いにあります。
逆に言えば、公務員になりたければ「福祉職」を目指したほうがなりやすいとも言えます。
給料は以下の通り。
項目 | 社会福祉士 | 公務員「福祉職」(社会福祉士含む) |
給与/月 | 251,875円 | 340,333円 |
平均年収 | 4,030,000円 | 5,471,170円 |
うわ!平均年収が140万くらい高い!
施設や事業所で働いている社会福祉士の方はがっかりするかもしれませんがこれが現実です。
公務員の試験にチャレンジするには年齢制限があります。
30代前半くらいまでの方はぜひ挑戦してみて下さい。
別記事にもしていますので、よろしければ合わせてお読みになって下さい。
⇒社会福祉士が公務員になるときつい5つの理由【本音で語ります】
他は地域包括支援センター、社会福祉協議会、病院(MSW)がおすすめ!
この3つの職場での給料は以下の通り。
公務員には及びませんが、3つとも安定して働いていけます。
行政とのやりとりや他の社会資源との関わりが出てくるケースが多く、知識や技術面で非常に高い専門性が求められます。
就職先によって違いがありますが、採用されるのは未経験であれば20代、経験者でも30代半ばくらいまでといった印象です。
公務員同様、採用のハードルは高いですが20代〜30代の興味のある方はチャレンジしてみて下さい。
あとは高齢者施設や障がい者、児童施設などになります!
こちらも給料の表を作りました。
肌感ですが、生活支援員と児童指導員はもう少し低い印象です。
生活相談員になるには、基本社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事のいずれかの資格が必要ですが、自治体によっては介護福祉士の資格保有者や介護施設の施設長経験者でも生活相談員として働ける場合があります。
児童指導員になるには、児童指導員任用資格が必要です。社会福祉士を持っていれば任用資格を取得できます。
生活支援員になるための資格要件はありません。社会福祉士を持っていれば多少有利と言うだけです。
支援対象者が高齢者、障がい者、児童と分かれるので、自分が支援したい人を選ぶといいでしょう。
児童に関しては、以下に詳しい記事を書いています。よろしければ合わせてお読みになって下さい。
⇒社会福祉士の仕事で児童に関わりたいですか?【保育とは違います】
社会福祉士は需要ないって本当なの?【現役社会福祉士が解説】:まとめ
まとめに入りたいと思います。
社会福祉士は需要ないって本当なのかどうかお分かりになっていただけましたでしょうか。
- 社会福祉士は需要ないって本当なの?
- 社会福祉士の需要や将来性
- 社会福祉士におすすめの就職先
年齢や実務経験によりますが、社会福祉士として活躍できる職場はあります。
社会の状況の変化により、社会福祉士はますます必要とされてくるでしょう。
社会福祉士に関してさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もぜひあわせて読んでみて下さい。
今回は以上です。